あせも
日光に当たって汗をかくことが多くなり「あせも(汗疹)」がひどくなる季節です。
あせもは汗の出口である汗腺が詰まり周りの組織に漏れ出した時におこる炎症から始まります。
汗の蒸発しにくい部分、首やひじ・ひざの内側などに出やすく、かゆみが強いのでつい掻いてしまい赤み、水ぶくれが広がって行きます。
ひどくなったら医薬品による手当てが欠かせませんが、その前のちょっとした心がけで軽いうちに治すこともできるのです。
あせも以外にもあてはまる夏の肌トラブル予防の基本対策をご紹介します
とにかく汗をかいたらそのままにしない事。
すぐにお風呂やシャワーで石鹸洗浄できれば理想的ですがそれが無理でも濡れタオル等で清拭し汗と汚れを除きましょう。
もちろん汗が浸み込んだ衣類も早めに着替えます。
肌に残る汗の性質が変わる前に。
通常、健康な皮膚の表面は弱酸性です。
弱酸性において表皮ブドウ球菌などの善玉菌が肌表面を健康な状態に保っています。
汗も本来は弱酸性で表皮の健康を助けるのですが、時間と共にアルカリ性に変化してゆきます。すると善玉に代わり化膿性の悪玉・黄色ブドウ球菌が増え始めこれがあせも重症化の一因となります。
汗と共に住みついた悪玉菌や雑多な汚れはなるべく早く石鹸で洗い流しましょう。ただしその際、強さの加減に注意を。脱脂力の強い石鹸で何度も洗うと善玉菌が繁殖に必要とする皮脂膜が失われてしまいます。
肌にやさしい石鹸を選び良く泡立てて手でやさしく丁寧に洗うようにしましょう。
石鹸は弱アルカリ性ですが水で洗い流した時点で皮膚表面は中性近くまで戻ります。
その後、皮脂分泌により数時間で弱酸性となり、それに伴い善玉菌も繁殖を回復してゆきます。
「あせもが簡単に治らずひどくなりやすい」という方。
ひょっとして 冬場、乾燥・カサカサに悩まされる部位と同じではないですか?あるいは 日焼けした部位ではないですか?
関節の屈曲部位や衣服との接触・摩擦が多い部位、紫外線を浴びた部位など…いずれも表皮の角質層バリアが損なわれやすい部位です。
あせもが悪化する背景に実は角質層バリアの低下が潜んでいるのです。
荒くなった角質層はスポンジのようなもので一度出た汗が乾燥せずに浸みこんだ状態となります。
そのままにしておくとアルカリ化した汗や雑菌が皮膚深部に侵入し炎症性トラブルのひきがねとなります。
思い当たる方は是非、夏の間も肌バリア保全を心がけ保湿ケアを実践して下さい。
「夏は湿度があるので保湿は十分」 と思いがちですが皮膚バリアは水分だけでなく、適度な油分もなければ形成されません。
そこで、役立てたいのが低刺激性の保湿用ローションです。
水分・油分をバランスよく供給でき石鹸洗浄後の肌pHを速やかに弱酸性に戻します。
普通、あせもは清潔を保てば自然と治るものです。
もしなかなか良くならない時は早めに薬を使いましょう。
あせも用の市販医薬品にはかゆみ止めや抗炎症成分が配合されておりべたつかないクリームやローションタイプが主流です。
症状や部位に応じてお奨めが異なりますので店頭でご相談下さい。
お子様用には昔から使われている桃の葉エキス等の生薬配合のローションが肌にやさしく安全です。
一方、ベビーパウダーは付けすぎると汗腺をふさいでしまう事があります。あくまでも予防用なので治りが遅れていたら使用を控えて下さい。
湿疹化したり掻きこわして化膿してしまった時はなるべく専門医を受診して下さい。
東京都中央区日本橋人形町1-4-10
人形町センタービル